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今回は配置売薬のなかから風邪薬を集めて、また風邪にはつきもののマスク のコレクションを取り上げてみます。 今回ご紹介の配置売薬はほとんど戦後のものですが、感冒つまり“かぜ”は現代では“風邪”と 書きますが、昔は単に“風”と書いていたようです。 |
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かつて広告、特に薬の広告のデザインは大まかに言って、病に苦しむ様子(腹痛など)をあらわしたおどろかすような脅迫的なデザインか、その薬を服用してよくなった様子をあらわした御利益的なデザインかの2つに大 別されますが、“かぜ”は後者のタイプが多く、しかも美人が登場するデザインが圧倒的です。 これらをみますと美人は風邪薬がよく効くようで“かぜ”を引いても笑顔を絶やさないことが美人の条件の一つのようであります。 比べますと後日まとめて御紹介しますが、“腹痛”は右例のように腹をかかえて苦しむオジサンのデザインが多く、どうも昔からオジサンは虐待されてきたように思われます。 それでは美人印の“かぜ薬”のオンパレードを御覧下さい。 |
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美人印の“かぜ薬”
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| 医者が飲んでるカゼ薬 | ||||||
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醫師のトンプク、清保カゼネツグスリはそんな広告の流れをくむ薬のようで、しかも登録商に高名なナイチンゲール嬢を使っております。 ナイチンゲール嬢(1820〜1910)は英国ビクトリア女王時代の貴族の出身で、クリミア戦争での献身的な働きから「クリミアの天使」と言われた近代看護学と衛生学を確立した女性で、女性の職業としての看護専門職の創立者であります。ナイチンゲール嬢は看護における近代統計学の発展にも貢献、生涯に150冊もの本と12.000通 もの手紙(全世界からの看護学に対する問い合わせの回答が主。)を残しておりますが、その誕生日の5月12日は『看護の日』(ナイチンゲール記念日)として称えられております。 そのような高名なナイチンゲール嬢を登録商標に(:御本人の許可を得たかどうかはともかく。)使ってさらに薬の信頼度を高めており、しかもデザ イン的にも美しい預け袋となっています。また製造者の西川兄弟は当時においては優秀な兄弟であったようで、また当時(当然戦前ですが)は醫院 でも製薬、販売ができたことが判り薬史 学的にも興味のある資料と思われます。なおこのような西洋の婦人のデザインが使えたのは 昭和の初め頃までで、残念ながら戦時色 が濃くなってからはこのような薬袋はこの世か らは消えていったものと思われます。 |
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| マスク | ||||||
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| マスクは日本人が発明したと何かの資料で読んだ記憶がありますが、戦前の富山のカゼ薬に黒いマスクをつけた御婦人をデザインしたトンプクがあります。(価格は貮拾銭) また1918年(大正7年)から翌年にかけて全世界で流行したスペイン風邪の時のポスターにも黒いマスクをつけた市民たちが描かれております。このポスターには“恐るべし「ハヤリカゼ」の「バイキン」! マスクをかけぬ 命しらず!”という標語が書かれておりマスクに対する絶対的な信頼が感じられます。 このように昔はマスクは黒かったわけで、まるでカラス天狗のようなマスクがあったとは、実物を見るまでは俄かには信じられませんでした。 幾つかの黒いマスクをはじめとする昔のマスクを御紹介いたしますが、そのうちの2つは化粧品で有名な資生堂の戦前の “資生堂マスク”(30銭)です。黒色と紺色の2種類があります。 “呼吸器”は箱のデザインからしてかなり古い、明治期の頃のマスクの原形と思われ“紳士婦人用マスク 通 風装置 折畳自由”と共に金属装置がマスクの中に仕込まれています。(現物をお目にかけたいものです。) | ||||||
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| せき一切 | ||||||
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| 最後に厳密には風邪薬ではないのですが、個人的に気に入っているデザインの咳止め薬“せき一切”を紹介します(2種類)。京都の舞鶴で作られた薬で、“せき一切”と書かれた旗を持った天使(エンゼル)がガマに乗ったデザインです。 箱の裏面には紳士が薬と砂糖に熱湯を注いでいる服用方の絵が描かれており、ほのぼのとした囲気をかもしだしております。なお説明書には漢文とハングル文字と英語が書かれていることから、日本が朝鮮半島を併合していた明治43年(1910年)以降でしかも印紙が貼っていないことから大正15年(1926年)以降(;売薬印紙税は大正15年で廃止。)で反米反英の雰囲気が高まっていない昭和10年(1935年)以前の製品と推測されます。 以上 | ||||||
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