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くすりができるまで
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現在我が国では、一年間におよそ40~50種類の新しいくすり(新医薬品)が誕生しています。 では、一体どのようにしてくすりは誕生するのでしょうか?

さがす 2~3年

「くすりの候補物質」を探します。 私たちが生活している自然界の中から、未知の物質や、病気の治療に効果のありそうな化合物を探索ことから始まります。

現代においては、既に効果が確かめられている化学物質などの分析によりある程度クスリとして使えそうな化学構造を予測して探す手法も用いられています。 また、バイオ技術やゲノム技術の進歩によって様々な生命現象を司る生命活性物質を人工的に生産してクスリとして用いられるようになってきています。 しかし、基本的には“探す”ことから始まります。

新薬の発見の歴史には、ペニシリンや外用育毛剤リアップなど、“ひょうたんから駒”のようなものもあります。

調べる

動物実験(非臨床試験) 3~5年

そして、探し出した物質をいろいろな角度から調べます。 ここでいう「調べる」とは、いきなり人間に試してみるのではなく、動物の細胞や、動物を使って様々なテストを行います。 水に溶けやすいかどうか、すぐに分解してしまわないかといった性質を調べたり、実験動物の半数が死にいたる量やその期間を調べたり、またその物質が動物の生体にどのような影響を及ぼすか、効果があるか、安全性はどうかなどたくさんのことを調べます。
また、実験結果から、人間の体にどのような影響があるかを予測します。

人体実験(臨床試験;治験) 3~7年

動物実験の結果、人においても有効性や安全性を確認できるかどうか検討します。 これを治験といいます。 この段階でクスリして使えそうな化学物質を「治験薬」と呼びます。

治験には
  1. 少数のボランティアなどによって、健康な人間を対象に安全性と有効服用量を調べるもの
  2. 少数の患者さんを対象に効果や副作用、長期間使い続けていけるかなどを調べるもの
  3. たくさんの患者さんを対象に効果や安全性を最終的に確認するもの
があります。

申請 1~2年

人体においても有効性・安全性が確認できたら、今までの試験の結果をまとめ、厚生労働省に「薬」として製造・販売する許可を申請します。 厚生労働省(厳密にいうと中央薬事審議会)は、その内容を厳しくチェックし疑問がなければその物質を作った会社に製造・販売許可を承認します。

このように、新しくくすりが誕生するまでは、長い歳月と莫大な費用がかかります。 そして綿密な研究や試験を行うなどたくさんの過程を経て発売されます。
これでやっと「薬」が誕生します。 ですがここで終わりではありません! くすりの発売後も「より安全な使用法の確認」「より効果的な使い方」などの調査は続きます。

くすりの見張り番

くすりが市場に出た後も、実際に患者さんに使用される中で発生した「副作用」などの情報が厚生労働省に報告され、より安全な使用法が追求されます。 医師並びにわたしたち薬剤師が、この副作用のリサーチに参加しています。
また、発売後もより効果的な使い方(他の病気に使う事で効果が期待できないか等)について、製薬会社や医師が研究するものもあります。

副作用ってなあに?? ―クスリとリスク―

すべての薬には副作用があります。
例えば、風邪薬を飲んだら眠くなる場合や、解熱・鎮痛剤が胃を荒らすといった本来の効き目とは異なる作用のことを言います。

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