ホーム新撰組と薬剤師 石田散薬プロジェクト

石田散薬の研究 ~ステップ3 乾燥後、古式にのっとり現代的に製造する~

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~酒の選定~

地元」と「歴史的に当時存在していたこと」にこだわってみました。
現在酒屋さんやコンビニで売られているお酒は、1800年代当時と比べて製法などにかなりの違いがあります。
当時のやり方でつくられている日本酒で、日野近辺で製造されているもの」というしばりで探してみたところ、「元禄」という、まさしく元禄時代のお酒を再現したものが見つかりました。
元禄(720ml¥1,200)澤乃井、小澤酒造

 → 澤乃井HP(酒屋さん紹介で売ってるお店が分かります)

(新撰組ファンの方へ。元禄時代も厳密に言えば1800年代とは隔たっているのですが、江戸時代の範疇というくくりでお許し下さい。石田散薬の作られ始めた【宝永】の前が【元禄】なので、石田散薬の製造開始年月だけで考えれば数年差ですし・・・。

注:このほかにも当時の製法で作ったお酒はいろいろあると思います。

用意した酒の分量については、土方康さんが「薬の部屋に入ったら、一升瓶が空になった」という話しをしています。また、おばあさんはそんなに使わなかったそうなので、一升瓶のうちいくらかは製造者が飲んだものと思われます。



~実際につくってみる~

◇用意したもの

 軍手、カマ、サンダル
 鉄板焼き用の鉄板、ふるい、はかり、バーナー、断頭バサミ、薬研、ビーカー、新聞紙、薬包紙
 牛額草
 元禄(お酒)
 とても暑いので、冷えた飲み物とタオル、帽子

◇作り方
  • 軍手着用、サンダル履きで浅川に行き、土用の丑の日をめやすに牛額草(ミゾソバ)を採取し、根の部分を取り除いて、はかりで計量しておきます。
  • 新聞紙の上で全量が十分の一になるまで乾燥させます。およそ二週間以上かかります。
  • 十分に乾燥した牛額草を、断頭ばさみやナタなどでこまかく切ります。
  • 切ったものを、鉄板の上で炙ります。このとき、バーナーの炎は弱火、赤い炎にしておきます。炙る要領は、屋台のヤキソバと同じですが、一応黒焼ですから、なるべく空気がはいらないほうがベターでしょう。
  • こんがりと、おいしそうになるまで炙ったら、火を止めて、草に、ビーカーにとっておいた酒を振りかけます。まんべんなく酒を絡めると、草は黒くなっていきます。これを、鉄板からおろして、再び数日乾燥させます。
  • 乾燥した「黒い」ものを、薬研で刻みます。黙々と、汗をたくさんかきながら(ゴクゴク水を飲みながら)作業を続けると、見た目にも薬っぽい粉に変わります。これを乾燥させて、できあがりです。


~平成15年 製造風景~


乾燥した牛革草

拡大図

十分の一まで乾燥します

小さく切断し

黒焼き開始

火は薪の温度に

振りかける酒は元禄

振りかけると黒変します

支部長も参加

日野ケーブルテレビの取材

動画→win用 mac用

薬研ですりつぶします

すりつぶした粉を

さらに乾燥させて

薬包紙で包み完成!



~実際に作ってみて~

  • まず、なんといっても炎天下の作業になった場合はかなりきつい作業です。 広範囲に群生している牛額草ですが、ある程度生態の知識がないと見つけるのに手間取るかもしれません。 大量に採取したつもりでも、まとめて重さを量ると、かさから見た印象よりも軽いようです。 根の取り除きと草を洗う作業が、意外と手間取ります。 はかりでの計量は、およそ10kgでした。
  • 三週間乾燥させた結果、1kg程度まで重量が減りました。
    乾燥させるために必要だった場所は広い実習用教室の机にして9つ。27畳くらいです。
  • はさみでの切断作業は時間がかかりすぎることがわかりました。
    ナタなどで、みじん切りのつもりで切ると効率がいいようです。
  • 炙り加減によって、最終的な色が随分と変わるようです。炙りすぎるとただの灰になりますので注意。
  • 最終的に、今回使用したお酒は三本。720ml×3=2160mlでした。値段換算すると3600円です。
    乾燥は、更に三日ほど行っています。
  • 薬研の扱いには若干のコツがいります。 一回刻み量が葉っぱの状態から粉状になるまでの所要時間は10~20分。
    意外と重労働です。全量(400g)を粉にするのにかかった時間は6時間程度です。
    最終的に、これを篩(ふるい)にかけて、一匁ずつに分けて薬包紙に包み分けました。
ここまで読んでおわかりの通り、用意したのですが、鎌は必要ありませんでした。


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