ホームおくすり博物館昔はこんな薬もありました

昔はこんな薬もありました 15

薬用酒 へ ≪  ≫ 健康器具 へ
~ お菓子 ~



  • 昔のいろいろな薬や健康器具を紹介してきた“昔はこんなものもありましたシリーズ”、今回はお菓子のような薬をはじめいろいろな薬を取り上げてみました。
〖薬〗

○『村正虫切菓子』
:宇都宮にあった製剤本舗森元商店が作っていた虫切つまり虫下しの菓子を名乗る薬です。 村正という名前は虫を切る → 名刀といわれる日本刀の村正の名からとったものと思われますが、薬袋に『村正虫切かし』と書かれた刀の鍔(つば)がデザインされています。 菓子を名乗ってはいますが、きちんと主治効能、用法用量が書かれており、その形は以前紹介したことのある「アンテルミンチョコ」に似ています。

○『小児解熱菓子』
:『村正虫切菓子』と同じく森元商店作っていた解熱の菓子を名乗る薬です。 『小児解熱菓子』も『村正虫切菓子』二歳以下は“用ヒズ”と書かれています。

○『せきのミジー』
:名古屋の中津瀬薬局が作っていた風邪のたんせき、百日咳、気管支カタルなどに用いる薬でパッケージの裏面に“藥の菓子”と書かれてます。
 

○『コドモ かぜぐすり』
:奈良県で作られていた配置売薬です。パッケージ表面には“あまくてのみよい”と書かれていますが、裏面の成分分量には量は書かれていませんが「日本薬局方溶性サッカリン」とありサッカリンを配合して甘くて飲みやすくしたもののようです。 サッカリンを添加した薬というと現代ではかなり違和感がありますが、当時はサッカリンは日本薬局方に収載されていたわけで問題は無かったようです。

○『プロマコール ホットドリンク』
:同じく奈良県で作られていたスルピリンや葛根湯を成分とする紅茶タイプのかぜぐすりで、1包を80mLの熱湯に溶かして服用する薬で、就寝前にホットドリンクとしてお飲みいただくと効果的、「甘党の方は砂糖を加えてお飲み下さい」と書かれています。 甘みはブドウ糖やシクラミン酸Naで甘くしているようです。

○『ミネビタールドリンク』
:一流メーカーの三共が製造していたパイン味のインスタントジュース製総合ビタミン剤です。 ビタミンA、B群、C、D等を含み疲労回復、小児の発育増進、妊産婦・病中・病後の栄養補給等に効き目があり、1日1包3gをお好のみの味にうすめて飲むものです。

○『チョコラ デカール錠』
:一流メーカーのエーザイが製造していた総合栄養剤で、Ca・燐・ビタミンDの他ビタミンB1 ・クエン酸・マンガン・コバルト・鉄などのミネラルを含有しますが、『デカール錠』というだけあってでかい錠剤です。(15mm×20mm×3mmの長方形) そのままでは飲めないので割って服用するのだと思いますが特に服用方法については書かれていません。

○『顆粒せきどめ』
:薬としては普通の置き薬ですが、パッケージの絵にけしの花が描かれて(“コデインの原料けし”)と丁寧な説明が書かれています。 薬物乱用が問題となっている現代では考えられないデザインです。

○『カイベン』
:名前からすると(快便)通じをよくする薬のような感じですが百日咳の治療薬で、しかも肛門部に塗擦(とさつ)し粘膜より吸収して咳嗽を鎮めるという変わった用法の塗るせき止薬です。

○『オクサン』
:バイエル薬品の製造していたバイエルアスピリンを主成分とする鼻感冒(はなかぜ)に用いる薬ですが、剤型がいわゆる鼻腔内嗅入粉劑(カギグスリ)で昔はアスピリンの局所点鼻吸入製剤があったようです。



©一般社団法人北多摩薬剤師会. All rights reserved.
190-0022 東京都立川市錦町2-1-32 山崎ビルII-201 事務局TEL 042-548-8256 FAX 042-548-8257