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今は昔 売薬歴史シリーズ 14

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~ ワダカルシウム ~


今も根強く人気の続く伝統薬の“今と昔の姿とその良さ”を伝える伝統薬シリーズ16回目、今回は『ワダカルシウム錠』を御紹介いたします。


◎『ワダカルシウム錠』 = 〖ワダカルシウム錠〗

  • 近年本来の薬や医薬品ではなく食生活で不足する栄養素はじめそれを補うことで効果のみられる多くの健康食品やサプリメント、機能性食品、特定保健用食品が登場してきました。
    そのうち老化に伴う骨粗鬆症防止の啓発と骨密度測定の普及とともにCa関連の製品も数多く生まれました。
    今回御紹介します『ワダカルシウム錠』はCa関連製品の元祖、はしり、パイオニヤともいえる“カルシウム一筋”にこだわってきた伝統薬です。
    伝統薬といいますとまずは歴史が古いことが必須条件なのですが、この『ワダカルシウム錠』が大阪の船場・道修町で生まれたのは来年で100年目という明治44年(1911年)のことですから、『ワダカルシウム錠』は立派な伝統薬と言えるわけです。
    『ワダカルシウム錠』はカルシウムは粉末で摂取することが主流だった当時、より手軽でカルシウムを摂取できるようにと開発された日本ではじめてのカルシウム製剤です。
    またこの『ワダカルシウム錠』を構成しているリン酸水素カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸水素カルシウム(:総カルシウム量はカルシウムとして645mg)等のカルシウムはすべてミネラル(鉱物)を原料に作られ、特に通常の2倍のカルシウムが必要とされる妊婦や授乳期のお母さんはじめ、お子さん、お年寄りまでに根強く支持され続けているカルシウム製剤です。

  • では『ワダカルシウム錠』コレクションをご覧下さい。


《『ワダカルシューム錠』》
:紙箱包装で、発売元がワダカルシウム本舗となっており、効能書に
 『ワダカルシューム錠』は大阪帝国大学の片瀬医学博士の指導監査
 のもとに創製された云々、妊婦・産婦・小児の諸病の他、虚弱体質、
 栄養失調、胃潰瘍、胃癌、盲腸炎、腎臓炎、糖尿病などの内蔵疾患、
 不眠症、ヒステリーなどの神経疾患等々にも効果ありとの説明が書
 かれています。
『ワダカルシューム錠』



《『ワダカルシューム錠』》
:紙筒包装で、製造元がワダカルシウム製薬、発売元が和田薬品となって
 います。
 適応症は腺病体質・授乳期・結核性疾患・肋膜炎・腎臓炎・アチドーシ
 ス・湿疹・蕁麻疹・気管支喘息・齲歯・カリエスその他骨疾患・出血性
 疾患などが書かれています。
『ワダカルシューム錠』



《『小粒ワダカルシューム錠』》
:金属性缶入りで製造元がワダカルシウム製薬となっています。
 適応症は虚弱体質・諸種脚気・病後虚弱・妊産授乳期の婦人・幼児発育
 不良・結核性体質・アチドーシス・カルシウムビタミンB1欠乏症など
 が書かれています。
『小粒ワダカルシューム錠』


《薬局経営日記 昭和29年版 より
  『ワダカルシューム錠』広告》


『ワダカルシューム錠』広告


《現代の製品》

『ワダカルシューム錠』現代の製品

《片瀬医学博士述
  『安産のために』》


『安産のために』




〔参考文献〕
・ワダカルシウム製薬HP
・ワダカルシウム製薬 : インターネット フリー百科事典『ウィキペディア』より

〔現代の製品提供〕
・昭島市 十字堂薬局 荻野 祥子 先生


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