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薬と歴史シリーズ 11

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~ 目薬の変遷 2 ~


=目薬(めぐすり)の変遷=
このシリーズでは昔の薬局、薬屋で扱っていた品々を取り上げていますが、今回も前回に引き続き身近な薬、目薬(めぐすり)の変遷をたどってみたいと思います。

(4)明治維新、文明開化以降の売薬目薬 〈そのI〉『目洗薬』

  • 1868年の明治維新を契機として、西欧文明が津波のごとく我国に押し寄せましたが、医療の分野特に今回のテーマである目薬の歴史においても、多くの変革がもたらされました。 このテーマへのアプローチとしては幾つかの方法があると思いますが、まずは前項で触れました江戸期の代表的な目薬の『井上目洗薬(めあらいぐすり)』を御紹介したいと思います。 江戸期の『井上目洗薬』そのもの・実物は入手しておりませんが、戦前まではその形態は引き継がれており製品として流通しておりました。
    成分的には炉甘石、梅肉、樟脳、蜂蜜、氷砂糖を混ぜ合わせて赤色のペースト状としたものを、紅絹(もみ)の小袋で巾着状に包んで蛤の殻に入れたものです。

    <本家>
    目洗薬

    目洗薬

    【井上御めあらひ薬】看板
    【井上御めあらひ薬】看板
    (江戸期)
    【広告入ハカギ】
    【広告入ハカギ】
    なお貝殻は密封容器としては、精密なプラスチックなどの製品が存在しない時代にあっては安価に大量に入手できる容器で、まわりを蝋などで密封すれば完璧な密封容器となりました。

    井上目洗薬
    【井上目洗薬】暖簾と看板
    (ただしこれはジェネック、
    本家の井上眼洗薬をまねたもの)

    御目洗薬
    【御目洗薬】

    井上目洗薬
    【井上目洗薬】


    『その他目洗薬』 貝殻・缶・煎じ・粉末
    目洗薬

    目洗薬

    明二龍珠散
    【明二龍珠散】

    目洗薬

    眼利光明薬
    【眼利光明薬 納書】

    眞珠珍龍膏
    当時の「眞珠珍龍膏」製薬工場の風景(広島県)



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